浸潤

日が昇ってすぐ、
まだ朝とは言い難い頃、
古い町をふらふら歩いていたら燕が飛んでいるのを見ました。

燕は色が素敵です。
黒のような紺のような体が
不意にぴゅうと横切るのを見て
あ、燕だ、と思うとうれしくなります。
軒先や電線などにとまっているところを見つめて
あかい喉を確かめるのがたのしいです。

くっきりと自分は燕が好きなのだとわかり、
朝靄がだんだん晴れてゆくのが惜しまれました。

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